白熱!あさひ最速スタッフ選手権2019本番レポート

2019.07.05

千葉県下総運動公園に集結する選手たち

6月19日、透き通るような青空のもと「あさひ最速スタッフ選手権2019」が開催されました。


自転車専門雑誌「サイクルスポーツ」が毎年恒例で行っている「全日本最速店長選手権」のあさひバージョンです。店長に限らず新米スタッフからベテランマネージャーまで出たい人は全員参加権があるため、あえて今年から「あさひ最速スタッフ選手権」と名称を変更しました!

今年で2回目になるこの選手権は総勢5000人を超えるあさひのスタッフの中から、ただただ「一番速いヤツ」を決める結構本気のイベントです。この日だけはスタッフからマネージャーまで役職にかかわらず、全力でペダルを漕いで競い合います。

選手権が始まった経緯はこちら

走りたいから走るんだ。総勢5000人の頂点 あさひ最速店長選手権2018への道

今回のレースの概要はこちら

今年も開催決定!総勢5000人の頂点 2019あさひ最速スタッフ選手権への道

果たして、今回はどんな展開が繰り広げられるのか?

初の試み、女子タイムトライアル!

昨年までの男気一色だった男子ロードレースに加え、今年は社内で1番速い女子も決めるべく、女子タイムトライアル(TT)を実施します!

試走する女子選手達

女子タイムトライアルでは、選手が1人ずつ走り、1.5kmのコースを2周したタイムを競います。

イベントの多いロードレースに比べてタイムトライアルはなかなか参加する機会が少ない競技。
今回参加する女子選手達も、もちろん初めての経験。
普段はファンライドやエンデューロなどを楽しむ女子スタッフが多い中、この機会に思い切ってタイムトライアルに挑戦してくれました!

女子選手はビンディングをはめた状態で、車体を補助員に支えられながらスタートを切ります。周りにいた男子選手も「タイムトライアルのスタートってやったことないけど、めっちゃ面白そうだなぁ!」と続々と集まってきました。

1人ずつスタートする女子選手は、スタートラインで待機している間にたくさんの人に注目され、通常のロードレースのスタートよりも緊張感が増します。

ホイッスルと共に、遂に先頭の選手のスタートが切られました!その後も1分ごとにロケット鉛筆のようにスタートを切る選手たち。

女子タイムトライアルの初代王者は古田選手に!

あっという間に最終選手がゴールし、リザルトが発表されます。自分の順位を食い入るように見る選手たち。レース経験のあった森選手(港北電動アシスト館)、橘選手(新座店)が有力と予想しておりましたが、、、

栄えある女子タイムトライアル初代王者の座は「まったく自信がない」と話していた古田選手(中川店)が獲得!

チャンピオンジャージを受取る古田選手

今回のタイムトライアルに向けてビンディングペダルを初めて使い始めたという古田選手。レース経験のある選手がいる中で、かなり良い走りを見せてくれました。

「初めてレースに参加したけど、すごく楽しかった。でも、来年もっと強い人が出てきて、簡単に抜かれてしまうのが怖いです!」

、、、なんということでしょう。さきほどレースが終わったばかりなのに、すでに来年の連覇をもくろんでいる古田選手。ぜひ、この勢いを止めずに来年も挑んでほしいです!

古田選手のようにイベントをきっかけに自転車の面白さを実感して、それをお客様や友達、家族など身近な人に共有できるスタッフが増えることがこのイベントの目標。あさひとして今後さらにたくさんの女性スタッフが自転車を楽しみ、ライドイベントなどでも活躍していくことを期待しています!

ちなみに、この日は女子選手だけ特別に、白砂糖を一切使っていないという、フレンドールさんこだわりのアイスが配られました。プロテインも10g含まれており、まさに疲れた体に最高のご褒美でした。

いよいよはじまる。男子ロードレース!

今年は第2回目という事で、昨年上位入賞した3人を先頭に計40名の選手がスタートラインにつきます。

スタートは先導車が一定のスピードで2周するローリングスタート。2周目までは追い越し禁止で、3周目に入る瞬間からリアルスタートして一気に加速します。

1周1.5kmのコースを40周し、計60kmのレースを選手が全力で走ります。
今年は途中にポイント賞も追加され、10周、20周、30周目のスタートラインを切る際に、上位1位から3位までにポイントが付与されます。

部長による超速ローリングスタート

ローリングスタートを先導するのは、ゼッケン0番、我らが松下部長。松下部長はあさひ全店舗を束ねる店舗運営部の部長。

数年前からロードバイクにハマり、見る見るうちにムキムキになったのは社内でも有名です。全日本部長ムキムキ選手権があったとしたら、上位入賞間違いないでしょう。

スタート1分前、ざわざわしていた選手たちが一気に静まり返り、緊張感が走りました。

「3、2、1、パンッ」号砲と共にスタート。先導車に続いて選手たちが走り出します。

思った以上にペースが速い部長!
しまった!部長の車体にスピードメーターがついていなかった!

まだリアルスタートが切られていないですが、すでに速い。通常、時速20km程度で周回するものの、おおよそ時速30km以上出ているのではないでしょうか。

後で聞いた話によると、部長の体感スピードとしては時速20kmでゆっくりと走っていたようです。恐るべし、部長!

そのままの勢いでリアルスタート

ものすごい勢いのまま、リアルスタートを切る3周目に差し掛かります。
スタートラインを越えた瞬間、さらにスピードアップした選手たちが整列を崩し、一気に位置取りを始めます。

隊列は1つに固まったまま、ラップ2分10秒台で進んでいきます。

昨年までは有力選手とそうでない選手の差が大きく、10周目に差し掛かるまでに脱落者が大量発生しておりましたが、今年は違いました。

集団がばらけることなく、最初のポイント周回に近づきます。

8周目を過ぎてから、ポイント周回を意識して選手たちはさらに加速を進めます。

ここまで来ると1人、2人と出遅れる選手が現れ始めましたが、遅れをとった選手の中にいたのが、、、

木村選手(関西エリアマネージャー)!

実は木村選手は関西エリアを統括するマネージャー。愛車はあさひのプレシジョンR。なぜかサドルの後ろにあさひの旗がたっている会社愛にあふれたマネージャーです。
マネージャー代表として出場するので頑張りたいと話していましたが、無念のリタイア!

「序盤のリタイアは役職降格!」

今年も変わらず実行委員長の怒号が飛ぶ中、どんどん選手が降格されていきます。
※実際には昇進に何の影響もありません。あさひに就職を考えている方、安心してね。

なにかの棒をもつ実行委員長(撮影用にポーズをとってくれます)

今年からポイント制導入。最初のポイントは誰に?

今年から導入されたポイント賞。
昨年は終盤まで選手たちが力を温存し平均時速が停滞してしまいましたが、今年はポイント周回で中盤にも動きが出ることを目的としました。

9周目を迎えると、「ピーッ」というホイッスルの音でポイント周回に入った合図が出ました。
その瞬間、選手たちの勢いがぐっと上がり、空気が変わったのがわかりました。
ポイント賞を狙う選手たちの壮絶な追い上げが行われる中、ものすごい勢いで前に出てきたのが折橋選手(船橋松ヶ丘店)。

折橋選手はカテゴリー最上位のE1に所属するレース経験が豊富な選手。昨年のマウンテンバイク全日本選手権にも出場経験があり、ロードバイク以外のスポーツバイクにも精通するマルチプレーヤー!

そのままの勢いで折橋選手はゴールラインを切り、続いて堀江選手(三島店)、そして斎藤選手(世田谷給田店)がポイントを獲得しました。

10周目のポイント賞争いで活躍した折橋選手(左)と斎藤選手(右)

昨年覇者、川勝選手を脅かした2人の選手たち

序盤からレースの流れを作っていたのは昨年の覇者、川勝選手(玉津店)。

前を引く川勝選手

川勝選手は今年Mt富士ヒルクライムという日本屈指のヒルクライムレースで年代別優勝に輝き、ノリにノっている選手です。
昨年のレースでは見事な最終スプリントで優勝したものの中盤までは守りに入ってしまったため、今年は序盤から積極的に攻めて独走優勝を狙うと力強く話してくれました。
宣言通り果敢にアタックをかけて全体のペースを上げる川勝選手でしたが、チャンピオンジャージを着ていることから周りの選手にマークされてなかなかアタックが決まりませんでした。

その川勝選手が「脚を使わされた」と話していたのがさきほどポイントを獲得した堀江選手と同じく三島店の古川選手(三島店)でした。
堀江選手は大磯クリテリウムのエキスパート部で優勝経験がある注目の若手選手です。一方、古川選手は新城幸也選手が在籍していたことでも有名なボンシャンスに所属する19歳の最年少選手。

先頭が古川選手、左に続くのが堀江選手

今回、周りからの強い推薦により唯一同じ店舗から2人の出場となりました。
レース前のインタビューではポイント賞や上位を狙うというよりはレース展開を作っていき、自転車の楽しみを伝えることに貢献したいと話す誰よりも大人な19歳でした。

2人が所属する三島店はスポーツに特化したスポーツスペシャリティストアという店舗。現在全国に28店舗展開しており、今回選手権に参加した選手たちの中でもスポーツスペシャリティストア出身のスタッフは多数存在します。

20周、30周目のポイント賞

選手たちは集団を崩さず、一つの塊のまま20周目のポイント周回に近づきました。

2回目のポイントは10周目でポイントを獲得した堀江選手、斎藤選手、そして古川選手が折橋選手を僅差で抑えて3位通過。

20周目のポイントに向かう堀江選手とそれを追う斎藤選手

20周以降も誰かがアタックをしてはすぐに吸収される状況が続き、特に昨年上位入賞しあさひジャージを着用した川勝選手、中村選手は各選手からマークされ、なかなか思い通りに前に出られないようです。

今年は昨年に比べて平均時速が上がり、時速約40kmで進むなかなかハイペースなレースになりましたが、10位以降の選手はついていくことに精いっぱいで、なかなか動きを出すことも難しいような様子でした。

最後のポイント周回のホイッスルがなり、各選手が特につらかったと話していた29周目を経て、最終ポイントはデッドヒートの末、斎藤選手、川勝選手、永友選手が獲得しました。

全てのポイント周回が終了し、最終的に斎藤選手、堀江選手、折橋選手がポイント賞を受賞する結果に。この3人がレース展開を盛り上げてくれました。

最後のスプリント勝負 ダークホースが現れた。

その後も先頭集団が引っ張り、ペースが保たれたまま周回を重ねる中で、少しずつ脱落者が出てきました。最終周に入る時点では40人中14人がリタイアし、残り26人でゴールを目指します。

すると突然、それまで前方で果敢に攻めていた中村選手(Eコマース店)に異変が起こりました。
39周目に入る手前で脚がつり、突如スピードダウン。本来であればこの時点で入賞は絶望的ですが、なんとここで中村選手は痛む脚を抑えながらゴール前のロングスパートに入りました。

中村選手を筆頭に先頭集団が最後の直線に入ろうとした瞬間、突然黒いジャージを着た選手が飛び出してきました。それまで上位集団にくらいついていた能戸選手(放出店)でした。

昨年入賞選手やレース経験者ばかりに注目していましたが、能戸選手はなんとあさひに入社してから本格的にロードバイクに乗り始めた今年2年目の超ダークホースでした。温存していた力を爆発させるかのような強い漕ぎで、中村選手を抜き去ります。

そのまま能戸選手が勢いに乗ってゴールに向かうと思いきや、待ってたかのようにぴったりと後についていたのが川勝選手。最終コーナーを曲がって直線に向かう橋の下をくぐった瞬間、スイッチが入ったかのようにどんどん能戸選手との距離を縮めます。

先頭に出た能戸選手とそれを負う川勝選手、中村選手

ゴール数メートル前でぴったりと横に揃った川勝選手と能戸選手はほぼ同時にゴールテープを切ることに。

なんと、0.01秒の差でわずかに前に出た川勝選手が優勝となりました。
目視では2人の順位が判断できず、車体につけたセンサーで測ったデータ結果での判定となりました。昨年の覇者はやっぱり強かった。

残りの表彰台を巡って息つく間もなくゴールに迫ってきたのは、一度は足を攣りながらも根性でロングスプリントを決めた中村選手。その後ろには豪快なスプリントで追い上げてくる斎藤選手が。最後の力を振り絞って中村選手が執念の3位入賞。あさひジャージのプライドを見せました。

左から3位の中村選手、1位の川勝選手、2位の能戸選手

昨年よりも明らかに選手たちのレベルが上り、今年も大白熱な展開であさひ最速スタッフ選手権2019は幕を閉じました。

数年前には想像もしていなかったこのイベントの開催が実行委員長はじめたくさんの人の努力によって恒例行事になろうとしています。チームあさひとしてこのイベントをきっかけに自転車の楽しみをたくさんの人に届けられたらと思います。

自転車って楽しい。FUN TO RIDE BIKES

TEXT:harry
PHOTO:toby