あさひの実力はいかに?!全日本最速店長選手権本番レポート

2018.09.25

歯が立たない?全日本最速店長選手権に参戦する強豪たち

2018年9月19日、つい先月社内の最速を決める「あさひ最速店長選手権」が開催された千葉県の下総フレンドリーパークで「第8回全日本最速店長選手権」が開催されました。

前回のブログで少しご紹介しましたが、全日本最速店長選手権とは、自転車専門雑誌「サイクルスポーツ」が主催する名物企画。

全国の強くて速い自転車店の店長たちが集い、日本の最速店長を決める一大イベントです。

レースのテクニカルな説明はサイクルスポーツ12月号にお任せするとして、このブログでは自転車に興味のない人でも今回の選手権の臨場感を楽しめる様にお伝えしたいと思います。

全日本店長選手権に出場するメンツはそうそうたる顔ぶれ。

世界戦で活躍した元プロレーサーや元オリンピック選手、現役プロツアー選手や実業団のE1(実業団シリーズの頂点のカテゴリー)で活躍する強者がひしめきます。

特に前年優勝したゼッケン1番の筧選手、ここ数年常に上位に入賞しているゼッケン44番涌本選手、ゼッケン9番岩島選手は今年も上位争い間違いないでしょう。

 

イベントの詳しいルール、出場選手のおさらいはこちら

どこまでいけるか?全日本最速店長選手権への挑戦

レース直前インタビュー あさひから出陣する2人の選手に話を聞いてみた!

あさひから出陣する2人の選手にレース前の心境を聞いてみました。

~ゼッケン30番原口選手~

Q. 今回のレース、どういう気持ちで挑みますか?

A. 他の選手に比べてレース経験も少ないし、社内の選手権では3位にはなったものの上位2人とはかなり力の差があったので、正直なところ自信はない。

でも、リタイア(DNF)だけはしたくない。スプリントが得意なので、最後までメイン集団にくらいついて行きたい。

あと、中村選手に何かがあった時は自分が補助できるようにしたい。

 

 

おっとりした口調で控えめなコメントの原口選手だが、社内の選手権では一度落車したものの、ニュートラリゼーションで怒涛の追い上げを見せ3位を勝ち取った粘り強さを持つ選手でもある。

このレースに向けてなんと出勤前に週に3回60~100kmの練習を重ねてきたという。

全国から3、40代のベテラン店長が連なる中、26歳という若さであさひの代表となった原口選手には持ち前の粘り強さでレースを動かしてくれることを期待します。

 

~ゼッケン27番中村選手~

Q. 今回のレース、どういう気持ちで挑みますか?

A. 自分より格上の選手が出場するので、はっきり言って自分がレースの展開を作っていくのは難しい。他のベテラン勢の動きに乗り遅れないようしっかりとアンテナを張っていきたい。

ただ、中途半端に目標を立てても絶対に上位にいけないので、どうせ出場するのであれば優勝を目指します。

今回出場する選手の中では前回優勝者の筧選手、涌本選手、井上選手、藤岡選手がレース展開を作っていくと思うので注目してる。

 

 

中村選手は今年から実業団に入りめきめきと頭角を現し始めているので、ひょっとすると上位争いに食い込めるかもしれません。仕事中も声が大きいですが、試合中も独り言が異常に大きいのでいろんな意味で試合を盛り上げてくれるお祭り男です。

両選手とも学生時代は自転車レースの経験はほとんどなく、カテゴリーも中村選手がE3(実業団シリーズの一番下のカテゴリー)、原口選手はなんと実業団所属なしという状況の中で全日本の猛者に挑みます。

相撲で例えると、平幕の力士が横綱に挑んでいく位の力の差があります。

果たして2人はどこまで爪痕を残せるのか。行け!原口選手!がんばれ!中村選手!

レース直前インタビュー 前回の覇者、ゼッケン1番筧選手にも聞いてみた!

昨年の第7回全日本最速店長選手権で見事1位を獲得した筧選手にも話を聞いてみました。

Q. 今回のレース、どういう気持ちで挑みますか?

A. 今年はぼちぼちですね。昨年はE2で勝って、非常に調子も上がっていたんだけど、今年はそこまで調子よくないので。8月に接触事故にあったから、フラッシュバックがあって、練習でも思い切り走れてない。

この大会で上位をとることは自転車店にとって非常に大きいこと。出場したということだけでもやっぱり大きな影響力がある。自分はもう名も知れてるし、ほかの若い選手に頑張ってほしい。

 

Q. どんな展開を予想しますか?

A. 面白いことに、このレースは他力本願が多いレース。笑

メイン集団についていくのは難しくないけど、レースを引くのはかなり難しいと思う。あと、所属する自転車店の立ち位置によって試合に対するモチベーションがかなり違うと思う。そういうところも踏まえてレースを見ると非常に面白いと思う。笑

 

Q. 注目する選手はいますか?

A. 若い選手、引退して2、3年の元プロレーサーは特に元気がいい。今回の参加者でいうとゼッケン18番の品川選手、ゼッケン44番の涌本選手はやっぱり強いと思う。

 

 

レース前のインタビューなので、ピリピリした雰囲気かと思いきや、非常にフレンドリーに話をしてくれた筧選手。

つい先日走行中に事故で負傷したということもあり、今年はどちらかというと上位を狙うというよりレース展開を盛り上げて若手の走りに期待したいとのこと。とはいえ、底知れぬパワーを持つ王者の走りに期待します。

いよいよレース開始

 間もなくレース開始の14時が迫り、選手達が続々とスタート地点に揃います。

先導のバイクのエンジン音が鳴る中、静かにスタートが切られました。

スタートは「ローリングスタート」方式で、1周目は先頭に続いて追い抜き禁止の走行を行い、2周目からリアルスタートとなります。

今回はポイント制ルールも追加され、10周目、20周目、30周目40周目のスタート&フィニッシュラインを通過した順番に1位通過5ポイント、2位通過3ポイント、3位通過1ポイントが付与されます。(40周目にはポイントが倍)

筧選手が言っていたように、最後まで牽制してゴール直前のスプリント勝負になってしまうとつまらないので、ポイント獲得周でレースに動きが出ることを期待します。

スタート直後は各選手良い位置取りをしたいため自然と速度が上がり2分弱のペースで周回しています。

あさひの中村選手はメイン集団の真ん中、原口選手は後方につきました。そこまでアップダウンもなく、きついコーナーが少ないコースなので、メイン集団にさえいればどの位置からも上位を狙えそうです。

 

5、6周すると周回スピードは約2分10秒前後と少し落ち着いたタイム。とはいえ、アベレージ41.5km/hでの周回はなかなかの迫力です。

スタートしてから最初に動きが出たのは7周目。10周目のポイント獲得に向けてゼッケン6番井上選手、ゼッケン22番高木選手が前に出ました。

流れに乗って中盤から追い上げたゼッケン18番品川選手がポイント賞を獲得。品川選手はフランスの世界的レース「パリ・ルーベ」に日本人として初めて出場した豪脚の持ち主。昨年はMTB全日本選手権で優勝を飾ったまさに優勝候補の一人です。

もうすぐ還暦。生きるレジェンドはまだ健在

次に面白い展開になったのが17周目にさしあたったところ。ゼッケン36番三浦選手が先頭を引き、会場に「うぉ~」というどよめきがわきました。

今回スペシャルゲストとして招待された三浦選手はソウルオリンピックでロードバイク日本代表も経験がある超ベテラン選手。あさひにも非常にゆかりのあるお方です。

もうすぐ還暦を迎えるお歳でありながら、驚くほどの瞬発力と長年培った「走るコツ」を熟知した、まさに「生きるレジェンド」です。

現役を引退して既に数十年経ちましたが、今回のレースに急きょ招待され、約1か月の準備で選手権に挑んだ強者でもあります。

レース前に意気込みを伺うと、「最初の10周さえ越えられればいける気がする」という強気のお言葉をいただけましたが、先頭を引く姿は身をもって若い選手に喝を入れている様にも見えました。

熾烈なポイント争い

三浦監督の3つ後ろについていたのが中村選手。このまま20周に向けて波に乗っていけるか と思いきや、他の有力勢に阻まれ大きくランクダウン。ポイント獲得周の20周目には最後尾までスピードダウン。

中村選手はこの時の心境を、「この調子で先頭で抜けていこうと思ったけど、先頭集団に風よけとしてうまく脚を使われて消耗してしまった。このままだとメイン集団にもついていけないくらい体力を消耗してしまうので、ポイントは諦めていったん下がった」と語っていました。

 

最終的にポイントを獲得したのは再び品川選手、その後ろをゼッケン4番安藤選手が続きます。

ここから安藤選手の独壇場になります。安藤選手はシクロクロスのカテゴリー1(一番上のカテゴリー)で活躍する現役選手。ほぼ単独でメイン集団から約20秒の差を付け、30周目、40周目のポイントを1位で獲得し、見事ポイント賞を勝ち取ります。

40周目では中村選手が2位で通過し、先頭を追います。中村選手は「既にポイント賞は安藤選手に取られて居たので、ここでポイントを取ってもなんの意味もないことはわかってたけど、冥土の土産に獲得した。笑」と語っていました。

既にこの時点で10人が足きりになり残り34人という厳しい状況でしたが、原口選手も必死に食らいつき、16位で通過します。実は30周目あたりから足が攣ってしまっていた原口選手は踏み込みに全く力が入らず、なんとか回すことに専念していたとのこと。そんな状態でもメイン集団から離されなかったのは、通勤前の100kmの練習があったからでしょうか。

優勝争いは安藤選手と岩島選手

先頭がメイン集団に吸収されて残り4周となったところで再び安藤選手がアタックを仕掛け岩島選手がそれに反応します。

ここで後ろにいた中村選手も前に出たいところでしたが、これまでのレース展開から「このまま逃げに行っても集団につかまってしまう」と言う気持ちがよぎり、メイン集団から抜け出せませんでした。

同じように周りの選手が不意を突かれている瞬間に大きく前に出た2人が優勝をかけて一騎討ちとなりました。

デッドヒートのすえ、勝利を確信した岩島選手が右手を掲げ、見事2度目の優勝を飾りました。常に独走状態でレースを引っ張った安藤選手は2位を獲得。圧倒的な存在感を放ちました。

 

あさひ中村選手は表彰台に上がれるか?手に汗握る3位争い

残る表彰台をかけて中村選手を含めた7人が最後の勝負。

カーブを抜けてゴール前の坂道に差し掛かるところで、残る力を振り絞って中村選手が踏み込みます。すかさずピッタリ続くゼッケン44番涌本選手。

3位争いはこの2人にかかりました。

涌本選手は2015年の選手権で優勝、昨年までも常に上位争いをしている実力者。レース前に中村選手は「この人には流石にかなわない」と話していた選手でもあります。

果たして格上の相手に中村選手は逃げ切れるのか?

 

あと数十メートルというところで涌本選手が中村選手の前に出ます。

中村選手も最後の力を振り絞りますが、無情にも距離は開いていく!

残る表彰台を獲得したのは、、、涌本選手でした。

「うぉー」という雄たけびをあげながら4位でゴールインした中村選手。

表彰台には上れませんでしたが、格上の選手がいる中での4位入賞は彼にとっても、あさひにとっても非常に大きな意味を持つ順位になりました。

続いてメイン集団とともに向かってきた原口選手も痛む脚を押さえつけ26位でゴール。ゴール直後は動けなくなくなるほど、がむしゃらに漕ぎ切った原口選手。

社内の選手権で勝ち抜き、「せっかく会社を代表して参加しているのでリタイアだけはしたくない」という信念が彼の走りに現れていました。

全日本最速店長選手権、走りぬきました!

予想を遥かに上回り、大健闘をしたあさひの2人。無事「全日本最速店長選手権」を全力で走りきりました。

僕のためにここまで会社で応援してくれるなんてありがたいと話す終始謙虚な原口選手とホッとして大好きなふりかけの話が止まらない中村選手。

今回歴史ある大会にあさひとして参加出来たこと、普段なかなか触れ合う機会がない同業の自転車店の店長達とイベントに参加できたことはただ楽しいだけではなく、何か胸に来るものがありました。文章では伝えきれない会場の熱気、躍動感はぜひ、来年のレース会場で体感してほしいです。来年もあさひが出場できるかは、まだわかりませんが!笑

主催いただきましたサイクルスポーツ様、レース前に取材に協力いただきました選手の皆様、本当にありがとうございました。

これにて、全日本最速店長選手権終了!

TEXT:harry