走りたいから走るんだ。総勢5000人の頂点 あさひ最速店長選手権2018への道

2018.07.09

あさひってどんな会社?

最近ではあさひ=ママチャリのイメージが浸透してきましたが、昔からそうだった訳ではありません。 時は1980年代、巷でテクノカット男子と聖子ちゃんカット女子があふれていた頃、あさひはプロショップをオープンしました。 同時期に結成されたロードチームは数々のレースで優勝していました。のちにオリンピックにも出場する選手を輩出していたこと、たぶんあなたは知らなかったでしょう。(知っていたらすごい!)  

とはいえ、約500店舗、5000人近いスタッフの中には昔からロード、MTB、ポタリングにブルベなど、ジャンルに限らずスポーツとして自転車が好きなスタッフもたくさんいたりします。 近年では社内の自転車サークルも発足、今では37ものグループが活動していて、 長野のゲレンデでマウンテンバイクとキャンプを楽しんだり、

高知の四万十ライドを開催したりと楽しみ方は様々。

中でもガチでロードに乗るスタッフは意外に多く、鈴鹿をはじめとするレースやクリテリウム、ヒルクライムに個人で参加したり、実業団で活躍したりしているスタッフもちらほら。

「サイクルベースあさひ 最速店長選手権」の開催決定!

そこでひとつ気になってくること。 それは、「全国約500店舗のあさひの中で、一番速いヤツは誰なんだ?」という話。 そんなシンプルな疑問を解消するために、やっちゃいます。

その名も、「サイクルベースあさひ 最速店長選手権」

え?なんか聞いたことあるって? そうです。自転車専門雑誌「サイクルスポーツ」が毎年行っている、「全日本最速店長選手権」を意識してみました。

しかも、場所も本家レース会場と同じ。 当日は会場を貸切、スタッフも合わせると総勢60名の、びっくりするほど大掛かりな社内行事になりました。

会場は1周約1.5kmのコースをラップ40周。走行距離は合計60km。ちなみに、去年の本家最速店長で優勝した筧五郎選手のフィニッシュタイムは1:50:56。(AVG40.56)。

※本家はラップ50周で走行距離は合計75kmなので、一周2分12秒くらいですね。

脚力に自信のある全国の店長&誇り高きスタッフが集まる

社内で参加者を呼びかけたところ、脚力に自信のある全国の店長&誇り高きスタッフ総勢35名が集まりました。(店長以外も気合があれば参加OK!) どんな人が参加するのかすごく気になるので、各自の長所と短所に加えFTPとPWRを聞いてみました。

選手一覧はこちら↓

※最近はパワーデータを活用している人も意外と多いですねー!

FTPとPWRって何?

選手がどれくらいの力を持っているかの指標となるFTPとPWR。

この数値がそもそも何を表すのかを簡単に説明します。

FTP(Functional Threshold Power/ファンクショナル スレッシュホールド パワー)
⇒約1時間にこぎ続けられる最大パワーを指します。

PWR(Power Weight Ratio/パワーウェイトレシオ)
⇒体重1キロあたりにどれだけのパワーを出せるか

一般的な体型のアマチュアライダーであれば、FTP300Wもあればなかなかの豪脚の持ち主ですが、出場選手の中にはそれに近い選手もちらほらいますね。ちなみに、有名なツール・ド・フランスに出るような海外のプロ選手はFTP 400W以上の選手もざらにいるそうです。

FTPが高ければそれだけ時速は速くなる傾向にありますが、一方でのぼり中心コースだと、体が軽くてPWRが高い選手が有利になってきたりします。 たとえば歴代のお相撲さんでたとえると、体の大きい曙はFTPがずば抜けて高いけどPWRは低い。小柄で小回りの利く舞の海はFTPが低いけれどPWRは高いみたいな感じでしょうか。 ※あくまでイメージです!

そういう意味では、今回の出場者の中でFTPが270ですが、PWRが4.5kg/W以上あるゼッケン7番の田口選手は舞の海タイプですね。 今回のレースは、1周約1.5kmで高低差は少なく、パワーと経験がモノを言う展開になりそうなので、どちらかというとFTPが高い人が有利でしょうか。ただし、ゼッケン23番の川勝選手はFTP、PWRともにずば抜けているので、優勝候補間違いなしでしょう! さて、総勢35名の出場者はどんな意気込みでこのレースに出場するのでしょうか。

ゼッケン19番、中村選手に聞いてみた

そこで目に入ったのがこちらの坊主頭。

 

本番まで顔だしNGとのこと。 普段内線の声が大きすぎて、もう少し静かにしてほしいと他部署からクレームが来るほどの声の持ち主でもあります。 なかなかちょうどいいところに座っていたので、彼の本番までの走りや、意気込みを聞いてみよう。

Q:中村選手はなんで最速店長に参加しようと思ったんですか?

中村選手:実業団レースなど他のレースには出ているので、世間一般の中での自分の速さはわかっているつもりです。 でも、「社内での自分の順位」というのが全く想像できなかったので、自分の力を試したくなり、出場を決意しました。

Q:これまでの自転車歴を教えてください!

中村選手:高校時代に部活の先輩とママチャリ旅行をするところから始まり、大学ではサイクリング部に所属し旅をしていました。 あさひに入社してからも基本的にはロードバイクでのロングライドが中心で、レースは鈴鹿エンデューロの様なお祭りばかりでしたが、主に昨年から勝利を考えたホビーレースに参戦。今年からは実業団レースにも挑戦しています。

 

Q:普段、どんな練習をしていますか?

中村選手:ロングライドの中で「如何に速く目的地にたどり着けるか」を考えて走ることが主なトレーニングです。昨年は一つのチャレンジとして、大阪-東京を24時間以内に走破するライド、いわゆるキャノンボールに挑戦、達成しています。 あえて挙げる普段のトレーニングの場は、主に通勤路。 通勤路でインターバルトレーニングをしたり、吐きそうになるまでもがいたりしています。だから職場につくころにはいつも汗だく。雨の日だって常に自転車通勤で、今月の大雨でも合羽を着て出勤です。 集団での走行練習は、それ以外の日に脚の合う仲間や、チームメンバーと共に時々行っています。

Q:ズバリ、優勝できると思いますか?

中村選手:戦ったことがない人が多いのでやってみないとわかりませんが、少なくとも上位に食い込む自信はあります。 ただ、ここまできたら勝ちにいくしかないでしょう。全力を尽くします。

確かに毎朝見ると尋常じゃない汗を全身にまとって出勤している中村選手。まさか、朝から吐きそうになっていたなんて知りませんでした。あの日の汗が無駄にならないように、がんばってほしいです! 来る7月11日の選手権に向け、各自思い思いのトレーニングをやったりやらなかったりして本番に挑みます。 

次回は「燃えよ!あさひ最速店長選手権2018本番レポート」をお送りします。お楽しみに!

TEXT:harry