【MiNERVA-asahi】暑さ対策が勝負の分かれ目 西日本ロードクラシック広島大会レポート

2021.07.09

今年も”暑い”レース 西日本ロードクラシック広島大会に参加しました

7月3日、広島県中央森林公園で行われた「第55回 西日本ロードクラシック広島大会」に、あさひ公式レーシングチーム「MiNERVA-asahi」が参戦しました。
※自転車レース特有のルールや用語はこちらでご説明しています。

今回のレースには、E1クラスタに川勝選手、中村選手、古川選手の3名。E3クラスタには宇田選手、鉄山選手、布田選手、堀江選手の4名。合計7名が参戦しました。

▶︎E1クラスタ
距離:12.3km x 10周 = 123.0km
スタート時刻:13時10分
参加者数:75名

▶︎E3クラスタ
距離:12.3km x 5周 = 61.5km
スタート時刻:13時15分
参加者数:81名


※第55回 JBCF 西日本ロードクラシック 広島大会 テクニカルガイド参照

毎年恒例、暑さとの戦い

去年はコロナの影響もあり8月末に開催され、毎年夏場の暑い時期に開催される、この西日本ロードクラシック大会。今年はオリンピックが開催される為、7月の開催となりました。しかし、暑さとの戦いが成績に大きく影響するのがこのレース。

まだ梅雨明けしていない広島地方。当日の天気予報によるとE3のレースが終わり、E1のレースが後半に差し掛かる15時過ぎあたりから雨が降り出すとの予報。直接的な日差しはないものの立っているだけでも汗が滲み出すほどの蒸し暑さ。

選手たちは暑さに対処するため、レース当⽇だけでなく前⽇から、それぞれの暑さ・脱⽔対策を⾏いました。補給するドリンクの種類やタイミングによってもパフォーマンスが左右されてしまうのが自転車レース。選手たちは本来の力を発揮できたのでしょうか!?
ぜひ、皆さんも各選⼿のレポートを参考に、レースだけじゃなく普段のサイクリング時の、水分摂取の参考にもしていただければと思います。

 

昨年の同大会のレースレポートはコチラ

【MiNERVA-asahi】川勝選手、悲願の優勝なるか?JBCF西日本ロードクラシック E2レポート

川勝選手レポート【E1/橿原葛本店勤務】

このレースの勝負所は残り5kmから始まる通称三段坂(0.9km/斜度5.3%)と、コース上で最も高い場所にある展望台の登り(0.4km/斜度8%)。いつもどおり早めに仕掛けて有力選手を複数名含む逃げグループを作りたかった。

気温も湿度も高い中3時間を超えるレース、水分と補給食をしっかり摂り、終盤に向けて如何にを残せるかが鍵となる。

スタート直後からハイペースで進む。3周目の展望台の登りで原田選手【Infinity Style】がペースアップ。カウンターのような形で自分がアタック。2人で抜け出したが逃げ切れず、3周回完了地点で集団に吸収される。

集団はひとつのまま6周目へ。三段坂手前の登りでアタックをかける。何人か反応してくれるのを期待したが、単独で抜け出すことに。結局、展望台の登りのピークで捕まる。その時点で集団は15人ほどに絞られる。

7周目、三段坂でアタックがかかる。6〜7人の集団が先頭グループで展望台の登りを越える。なんとしても先頭集団に追いつきたい。わかってはいたけど脚が限界。先頭から5秒ほど遅れて展望台の登りのピークを越える。たったの5秒が命取りとなった。

ゴールまで残り3周、距離にして約35km。次第に雨が降り出すなか一人で先頭グループを追いかけるが辛く寂しく長い時間が続いた。

正直リタイヤしたかったけど、応援してくれる人がいる以上、降ろされるまで頑張らないといけないし、このままの順位の10位以内で完走すれば来年の全日本選手権に出場できる資格がとれる。

最終周回の展望台を越え、下りに差し掛かったところで、後方の3名に追いつかれる。この時、この4人が7位〜10位のグループで全日本の参加資格には影響がないと思っていたが、とりあえずスプリントで4名の中では先着した。(ゴール後に順位が8位だったと聞いたときには冷や汗が出た…。)

出走75名に対して完走は18名。かなり厳しいレースになった。しかし、上位でゴールした選手たちとの脚力差は明確で、コンディションは悪くなかったがそもそものフィジカルが戦えるレベルにないことを痛感した。

中村選手レポート【E1/本社勤務】

蒸し暑い中でのレースになることが予想されたので前日からウォーターローディング(通常よりも水分を多く摂ること)をし、当日の熱中症や脱水に備える。

レースは午後からなので朝ごはんをしっかり摂り、レース2時間前までに古川選手イチオシ食材のバナナと、自分のイチオシレース飯の1本/1,200kcalのパウンドケーキを摂取。直前には電解質や硝酸塩など長期戦に備えた対策。補給食にはカフェインや硝酸塩、電解質を混ぜたジェルなどを用意して万全に備えた。

レーススタートから緩むことなくハイペースな展開。いつもなら三段坂でペースが緩むはずがあまり緩まない。下りでタイミング悪く後方にいて大きく集団から遅れることもあったが難なくブリッジして回避。3周目から補給を受け取りに動く選手を起点に、集団から遅れが発生した際は少しを使って差を埋めることができ、そのまま集団前⽅をキープできた。

ここまでの4周で今日の調子はいい。しっかり踏めるし集団の中での動きも問題ない。いつもなら川勝・古川両選手に遅れをとるが今日は全くそうなる気配が感じられなかった。

しかし、ホームストレート直前の右コーナーでペダルと地面が接触。そのままコントロールを失い落車をしてしまった。幸いにも他の選手を巻き込む落車ではなく単独だったが、集団から大きく遅れてしまう。その後3周回は単独走で粘るものの、7周回が完了時点で先頭と10分以上の差が付き、DNF(リタイヤ)となってしまった。調子が良かっただけに本当に残念でならない。

古川選手レポート【E1/三島店勤務】

登りがキツく、下りも高速展開の若干苦手なコース。当日は雨予報だったが、雨は苦手ではない。

スタート直前、予報を裏切り晴れのレースとなり、気温・湿度共に高く水分補給は念入りに行った。使用しているGarminのサイクルコンピューターには、運動強度や時間から失った水分量を予測して、補給のタイミングと量をお知らせしてくれる機能が付いているのでレース、ロングライド、サイクリングまで、幅広いユーザーにもお勧めの機能です。

今回は最後まで脚を貯めてのスプリント勝負狙い。三段坂で温存するために下りは集団の前方に位置し、登りでは後方に下がり過ぎない範囲で走る作戦。

本来であれば下りが苦手で、すぐに後方に下がってしまうが、今レースからLOOK 795 Blade RS Discに乗り換えディスクブレーキ化されたお陰で、アドバンテージを持つことができた。多少離されたとしても、BORA×LOOKの組み合わせはエアロ性能抜群でグングン加速し追い付いていくれる。

スタート後は、チームメイトの川勝選手が今回も積極的に展開してくれる。中村選手も前方に位置取ってくれていた。チームワークが上手く行けばMiNERVA-asahi中心の展開も作っていけそうだ。

1周目、2周目は前方の安全な場所へ位置取る。しかし、ペースがかなり速い。暑さも加わり体力をかなり消耗してしまった。補給解禁となる3周目から補給を受け取り、頭から水を被るが体温が下がらない。オーバーヒートしてしまいポジションをやや落とすが、なんとか集団内で周回を重ねる。

しかし、6周回目の三段坂でペースアップについて行けず集団からドロップしてしまった。熱中症で頭が痛く、脚も何度も攣ったが、サポートを受けている以上リタイアする訳にはいかないと自分を奮い立たせて脚を動かす。途中から雨も降り始め気温が下がり始め、まさに恵の雨であった。楽になったものの、結果は先頭の集団から⼤きく遅れて15位だった。

今回の敗因は、暑熱順化不足、長い時間高強度で踏み続けるスタミナの不足。次のレースに向けて練習メニューを修正する必要があるようだ。

布田選手レポート【E3/名取店勤務】

4月に群馬で開催されたレースでは落車してしまい、今回の目標は「とにかく落車せずに帰ること」。その中でチャンスがあれば狙っていくつもりでした。

レース序盤は大きな逃げはできず、落車やペースアップで人数は徐々に減り、気づくと集団は20人くらい。

下りが長いコースのため、周りの選手がキツいのかよく分からないので4周目の三段坂で少しペースを上げてみる。そのまま後ろに付かれるかなと思ったが、意外と集団はバラけて4人くらいが付いてくる。「このまま回しましょう」と、一緒に逃げている選手に声をかけられたが、あまり集団のペースは上がらず展望台を登りきった辺りで後続集団に吸収される。

最終周回に入っても急激なペースアップはなく、集団のままレースは進む。三段坂の手前で1人飛び出したのが見えたが、すぐに追いつくだろうと思い見逃す。しかし、三段坂でも集団のペースはあまり上がらず、逃げ出した前の選手との差がどんどん開く。ヤバイと思い展望台の登りでペースを上げるが、時すでに遅し。

ここから前に追いつくのは難しいと思い、集団内での先頭を取ることに切り替える。

集団でスプリントになると勝ち目はほぼ無いと思っていたので、ゴールまでの距離はあるが最終コーナーを曲がった直後の登りで全開アタック。ゴールまで300m以上あり、最後までもがき切れなかったがなんとか第2集団内では先着し2位となりました。

1人逃がしてしまったのはミスだが、それも含めて今回の結果は満足。1ヶ月前は走れるかすら分からなかったので、この結果は出来過ぎだと感じています。

宇田選手レポート【E3/摂津千里店勤務】

15年ぶりぐらいに走る広島でのレース。コースもだいぶ忘れた状態だったので、試走をして、しっかりコースを思い出しました。試走中に暑さと湿気からか、少し頭が痛くなってきたので、スタートまでしっかり水分補給をして備える。

1周目、3km地点までのローリングスタートは落車など危ない場面もなく淡々と進む。自分は集団最後尾あたり。リアルスタート後も三段坂までは淡々と進んだが、三段坂で先頭集団以外は見事にバラバラに、鉄山選手の姿も見えたので声をかけて5〜6人の集団でローテーションしながら、2周目に入る。

2周目の三段坂へ。二段目ぐらいで鉄山選手を見ると、熱中症ぽくシンドそう、自分も熱中症ぽい感じは続いていたので積極的に水分補給を取りながら3周目へ。

3周目はタイムアウトが気になり三段坂の下から前に出る。少し集団がバラつき、3人ぐらいの集団になり4周目へ。

4周目のホームストレートで3人ぐらいが追いついてきて、また6人程度の集団に戻るが、前半区間をこなしているうちに2人になる。

その選手と「行けるとこまで行きましょう」と、声をかけながら走っていたが、途中の登りで脚が攣りかけ離れてしまう。そこからは脚が攣らないように走りながら、追いついてきた4人と共に三段坂をこなし最終周回へ。

最終周回となる5周目のスタートラインを越えたところで、バイクの審判員の方が追いかけてきて、タイムアウトを宣告されレースが終了となった。

鉄山選手レポート【E3/山科店勤務】

1周回目、前方に上がろうとするも上手く上がれず三段坂突入後も身体が熱く力が出ない。蒸し暑さとレース前の水分補給不足による熱中症のよう。なんとか展望台前までは付いて行くも、耐えられずドロップ。宇田選手を含む後続集団に2周ほど付いて行くも、そこにもついて行くのがしんどいぐらいで、残りは1人で走り4周完了時点でタイムアウトによりレースを終えました。

振り返えるとエネルギーばかり考えて食事は取っていたが、当日レース前の水分補給が全く足りていなかった。完全に初歩的なミス。みんなのレースは前日から始まっているという言葉に、凄く耳が痛かった。練習など満足にできていたわけではなかったが、その時点でできる最大限の準備をして望まなくてはと身をもって実感したレースだった。

堀江選手レポート【E3/岐阜市橋店勤務】

シーズン前半戦、勝つならここしかないと思い、それなりにしっかりと事前準備を進め自信が持てるくらいまでの状態で臨んだ今大会。当日は午後からのレースでしたが、7時に起きしっかりと朝ごはんを済ませいざ会場へ。

コースは1周が約12キロある為、試走をアップと考えスタートを待ちます。しかし、今思えばあの蒸し暑さで走るなら水分をしっかり摂りながら試走前にローラー台でアップをやるべきでした。

スタート直後の落車のリスク回避のため、スタートの音とともに道路右側から一気に上がり先頭へ。

コース中盤のアップダウン区間にてリアルスタートとなり集団前方で展開する。1週目のホームストレートに入る手前のヘアピンカーブ付近、後ろで落車が発生。こういうことが起こりやすいので、やはり集団前方で展開するべきですね。

その後も集団前方で展開。は動いているのが自分でも分かっていたし補給もちゃんとできていたので、この時点では正直このレースはいけると思っていた。

しかし、登坂力がまだ追い付いてきていなく三段坂だけは本当にきつかった。4周回目にチームメイトの布田選手が“ぬるっと”アタックをした時は「まーーじか。」って思ってしまいました。

最終周回のホームストレートで補給食のジェルが手につきベトベトだったので、ボトルの水で洗い流しているときに前の選手の車輪に接触してしまい転倒しそうになり、左足が地面についた衝撃で左ふくらはぎが攣ってしまった。それまで、ほぼ完璧に進めてきたレースだっただけに、かなり失望してしまった。

最終周回の三段坂手前までは、なんとか集団前方にいましたが、登坂力に問題があるのと攣った左足が影響し集団にも付いていくことができず15位でゴールしました。ゴールすると同じクラスタで走っていた布田選手が2位でゴールしていたので、めちゃくちゃ嬉しかったです!

次のレースは福島県石川町

次のレースは、今回の西日本ロードクラシックから間もない7月11日(日)に、福島県石川町で開催される「第19回JBCF石川サイクルロードレース」にMiNERVA-asahiのメンバーも出場します。

E3クラスタで2位に入賞した布田選手は、自動的に上位のE2クラスタに格上げとなり出場します。

引き続き、皆様からの応援をよろしくお願いいたします。