【MiNERVA-asahi】全日本自転車競技選手権大会ロード・レースレポート

2021.10.29

第 89回全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース

10月22日(金)から3日間にわたって、広島県三原市にある広島県中央森林公園サイクリングロードで行われた「第89回全日本自転車競技選手権大会ロードレース」に、あさひ公式レーシングチーム「MiNERVA-asahi」から2名の選手が参戦しました。

選ばれた者しか参加できないこのレース、果たして2人は世界で戦う強豪の中でどんな走りを見せてくれるのでしょうか。

※自転車レース特有のルールや用語はこちらでご説明しています。

今回のレースに参戦した選手は下記の2名です。

●個人ロードレースME・男子エリートクラス
(12.3km x 15周 = 184.5km)
川勝選手【橿原葛本店勤務】

●個人ロードレースMU23・男子アンダー23クラス
(12.3km x 10周 = 123km)
古川選手【三島店勤務】

ロードレースの日本一を決定するレース


第89回全日本自転車競技選手権大会ロードレース・コースMAP
(出展:JCF 2021全日本ロード要項_Ver.20211019.pdfより)

「全日本自転車競技選手権大会(以下、全日本)」その大会名からも分かる通り、自転車で行う各競技の日本一(ナショナルチャンピオン)を決定する大会です。

全日本には、エントリーすれば誰でもが参加できると言うわけではありません。公益財団法人日本自転車競技連盟(JCF)が定めた参加資格をクリアしていないと参加する事ができない、まさに選ばれ選手のみがエントリーできる大会です。

7月に今回と同じ広島県中央森林公園で開催された第55回JBCF西日本ロードクラシック広島大会のE1クラスタで川勝選手が8位(エリートへの参加資格は10位以内)に、古川選手は15位(アンダー23への参加資格は20位以内)に、それぞれ入ったことで全日本への参加資格を得ました。

7月に開催された第55回JBCF西日本ロードクラシック広島大会のレポートはコチラ。

【MiNERVA-asahi】暑さ対策が勝負の分かれ目 西日本ロードクラシック広島大会レポート

全日本自転車競技選手権大会と聞いても、なかなか馴染みのない大会だと思いますので、少しご紹介します。

全日本自転車競技選手権大会について

様々なジャンルのスポーツで全日本選手権は開催されていますが、自転車競技の全日本選手権の場合は、JCF(公益財団法人日本自転車競技連盟)が主幹となり開催する全日本自転車競技選手権大会には、MiNERVA-asahiの2名が参加したロードレース以外にもマウンテンバイクやトライアル、BMX、トラック競技、シクロクロス、サイクルサッカー、サイクルフィギュア、パラサイクリングなど、自転車を使った各競技の日本一を決める大会が開催されています。

また今回の全日本自転車競技選手権大会ロードレースの中でも年齢などにより細かくカテゴリー分けされています。

男子エリート・女子エリート・男子アンダー23・女子アンダー23・男子マスターズ(30〜39)・男子マスターズ(40〜49)・男子マスターズ(50〜59)・男子マスターズ(60〜)・女子マスターズ・パラサイクリング。

※本来であれば男女共にジュニアクラスも設定されているのですが新型コロナウィルスの影響により今年度の開催は見送られました。

それぞれのクラスについた数字は年齢です。中でも男子エリートは1998年以前生まれの競技者が出場するクラスとなっており、普段は国内で開催されるJBCFのJPTクラスタやJCLなどトップクラスのカテゴリーで走っている選手や、海外のチームと契約しツールドフランスなどの世界的レースに出場するような日本人選手も、このカテゴリーへのエントリーとなります。

また、この全日本で優勝した選手にはナショナルチャンピオンジャージが与えられ、その種目の選手権を保持する間に出場する同一種目においては、このジャージを着用することができます。

自転車競技に参加している人であれば誰もが憧れ、獲得したいと思う「全日本チャンピオン」の座をかけた激しいレース。今回、MiNERVA-asahiから参戦した2人の選手のレースレポートを、ぜひご覧ください。

川勝選手【橿原葛本店勤務】レポート

初めて出場した全日本選手権。

国内外からトッププロ選手が集結し、今の自分がどこまで走れるか試されるレースになります。今シーズンの後半戦は、思うように走れなかったレースもありましたが、ようやく調子も上がってきました。

今回のコースは、下りが苦手ではない広島のコースなので、上りさえ集団について行くことができれば、ある程度は走れると予測していました。

目標は完走です。大人数の逃げが決まるようであれば、それに乗るチャンスを伺うつもりでした。

定刻通りの11:00にレースがスタート。

開始直後のアタック合戦を、どう耐えるかが序盤のキーと考えていましたが、思っていたほど辛くはなく、単独で飛び出している選手がいましたが、三段坂で集団の先頭まで上がれました。そのまま下りに入り、なぜか自分が全日本選手権のプロトンの先頭を牽くという奇跡が起きました。

序盤のピンチは3周目でした。一気にペースが上がりラップタイムは、これまでの広島でのレースで出したことのない17分台で周回します。

展望台の登りでは前20人くらいから遅れてしまい、危うくDNFの結果となるかと思いましたが、後ろの集団に残された人数が多かったため、最終的に集団はひとつに戻り事なきを得ました。

この動きのなかで、風間選手【シマノレーシング】の単独逃げが決まり、集団はこの単独での逃げを容認し、一気に集団のペースもダウンしました。

愛三工業レーシングチームが集団の先頭を固めてコントロール。続いてシマノレーシング、宇都宮ブリッツェン、KINAN Cycling Teamなど、人数を揃えた有力なチームが集団前方を陣取ります。

ラップタイムは先ほどと打って変わって20分台まで落ちました。完走目標の自分にとってはありがたい展開です。4周目から8周目にかけては20分〜21分台で楽に周回を重ねることができました。

その間は、補給をとったり、知ってる選手と談笑したり、用を足してる選手も少なくありませんでした。(自転車競技の中でもロードレースは競技時間が長いため、レース中でも用を足す場合があります。今回の全日本での競技時間は5時間弱でした。例年であればもっとレースの距離が長いため、前回大会の競技時間は6時間を越していました。)

約100人の集団はスローペースですが密集度が高く、それはそれで集中して走らなければなりませんでした。

9周目の100kmを超えたあたりで集団は追走モードになり、ペースアップ!

いよいよかと身構えます。

10周目は逃げ続けた風間選手を吸収し、この日の最速ラップで再び17分台まであがります。

11周目~12周目、徐々に人数が絞られていきますが、なんとかメイン集団にくらいつきます。

13周目の展望台の登りで、唯一ワールドツアーチーム所属の中根選手【EF Education-NIPPO】がアタックしました。集団は15〜20人ほどに絞り込まれますが、自分はその集団に残れず置いていかれてしまいました。

14周目から最終周回は、遅れてしまった20位から35位くらいのグルペットでゴールを目指します。

最終周回の展望台の上りを登っていると、「草場選手【愛三工業レーシングチーム】が勝った!」と沿道の関係者が教えてくれました。グルペットの中には愛三工業レーシングチームの選手が4名ほど含まれていたので、それを聞いた瞬間に歓喜のペースアップ。これが最後に地味にきつかったです。

最後は少しでも上の順位を狙いたかったのですが、はすっからかんで腰を上げることもできませんでした。

こうして初めての全日本選手権は31位完走という結果に終わりました。とにかく無事に完走できて安心しました。しかし、その一方で、もっと上の順位を目標にチャレンジしてみたい、という気持ちも芽生えました。

例年通りであれば、次回の全日本は来年の6月に開催されます。次は万全の状態でスタートラインに立ちたいです。

古川選手【三島店店勤務】レポート

年齢的にもU23へのエントリーが今年で最後となり、集大成となるはずの今回の全日本選手権でしたが、アクシデントにより一瞬で終わってしまいました。

スタート後すぐ、1周目で他の選手と接触し、後ろのディレイラーにダメージを受け、チェーンがホイール側に落ちてしまいました。

即座にチェーンを直し走り出しますが、ペダルを踏み込むとまた外れてしまいます。やむを得ず強引に曲げ戻しましたがうまく行かず、そうこうしているうちに先頭集団との差が開きすぎてしまい、U23最後の全日本はDNFとなってしまいました。

たくさんの人から応援、サポートして頂いたのに結果で報いることが出来ず申し訳ない気持ちでいっぱいです。

【長距離レース用補給食】

今回の全日本に向けて準備していた補給食(レース中に摂取する食べ物)をご紹介します。

長距離のレースではジェルやドリンクに加え、固形物を摂る必要があります。高エネルギーかつ食べ易い伝統的な補給食です。

▶︎用意するもの

・食パン6-8枚切り
・好みのジャム
・アルミホイル
・ナイフ

この補食は前日の夜に仕込む事がコツです。

当日朝は忙しく時間がないというのもありますが、作ってから一晩寝かせる事でジャムが馴染んで、より食べやすくなります。

高エネルギーの物を一晩寝かせるので念入りに手を洗ってください。お腹が痛くなっても責任は取れませんので自己責任でお願いします。

▶︎作り方

①初めにパンの耳を切り落とします
②パンを半分に切ります(食べにくければ1/4サイズでも大丈夫です)
③パンの真ん中を少しくり抜きます
④くり抜いたところにジャムをこれでもかとばかりに乗せます(イメージ的にはジャムにパンを乗せて食べるくらいで)
⑤半分にしたパンの片方でサンドします
⑥アルミホイルで包みます
⑦完成!

長距離を走る場合は、序盤はなるべく固形物で補給を行い疲労が溜まってきたらエネルギーに変わりやすいジェルに切り替えると良いでしょう。

【ドーピング検査】

皆さんオリンピックのような国際的なスポーツ大会などで「ドーピング検査」と言うのを聞かれたことがあると思います。

ドーピングとは、スポーツ選手が禁止されている薬物などの摂取により競技能力を意図的に高め、勝利を得ようとする行為のことです。禁止薬物を意図的に使用することだけではなく、ルールに反する様々な競技能力を高める方法や行為を隠すことも含めてドーピングと呼びます。

これに対してアンチ・ドーピングとは、ドーピング行為に反対(anti・アンチ)し、スポーツがスポーツとして成り立つための様々な活動のことを言います。全てのスポーツにおいては、その参加者がフェア(公正)でなければいけません。

日本国内においては、日本アンチ・ドーピング機構(Japan Anti-Doping Agency・頭文字をとりJADAと言われます)が、アンチ・ドーピング活動を通して、スポーツが公正に行われるための活動を行なっています。

JADAが、このアンチ・ドーピング活動により、すべての競技者がフェアであることを支え、アスリートの健康を保護するとともに、ドーピングの撲滅を目指しています。

自転車競技でも、実業団やJCFのレースではドーピング検査が行われる事があります。優勝した人に加え、出場者の中からランダムで数人が選ばれ、検査を行います。今回はランダムのドーピング検査を受ける事になりました。

レースが終わると検査官に声をかけられ、ドーピング検査の対象である事が告げられます。または、レースがスタートした後に掲示板にドーピング検査の対象者のゼッケン番号が貼り出されます。

ドーピング検査は血液又は尿で行い、今回は尿検査でした。レース直後では尿が出にくいこともある為、時間を空けることも出来ますが、その間にも不正を行わないよう常に検査官に監視されます。

検査官の方が親切に対応してくれる為、初めてでも安心して出来ました。

まず、書類を作成します。出場したレースや個人情報、摂取している薬やサプリメントなどを書き出します。書類に記入をした時間や検査室に入退出した時間などは記録されます。

尿検査を行うときはズボンを膝まで下げ、服は臍までめくります。そして、コップ半分以上まで尿を入れます。(お食事中の方はスミマセン。)

これが少ないとやり直しになる為、可能な限り貯めてから出す事が重要です。また、尿の濃度にも規定があり、それに達していない場合は再度採取する必要があります。

そして採尿のときは検査官にガン見されます!

マジのガン見です。そんなに見る?ってくらいガン見されました。(もちろんコレも選手が不正を行わないかをチェックするために大事なことなんです!)

採取した尿は自分の手で2つの専用の瓶へ移します。(A検体とB検体)

瓶へ入れた尿は封印され検査に回されます。

万が一、片方の検体が検査に引っ掛かった場合は、もう一つの検体を使い再度検査を受ける事ができます。

2つともアウトの場合、アンチドーピング違反となります。

今回初めてドーピング検査を受けましたが、選手への配慮がされていると感じました。

検査用のコップや瓶は複数あるものの中から自分で選び、汚れや異物が無いことを確認します。また、最後まで自分の手で検体を作成し、第三者による悪意から守られています。

検体を入れる瓶も特殊な構造で一度閉めると特殊な機械を使うか破壊しなければ、開けることは出来ません。アスリート全体でクリーンなスポーツを行いましょう!

次はマウンテンバイクの全日本

MiNERVA-asahiにとって今シーズンのロードレースのスケジュールは、今回の全日本でほぼ終了となります。

しかし!

MiNERVA-asahiにとっての自転車レースは、まだまだ終わりません。11月20日〜21日には愛媛県八幡浜市で開催されるマウンテンバイクの全日本自転車競技選手権のXCO競技に折橋選手(船橋松が丘店勤務)が出場します。

引き続き、皆様からの応援、声援をよろしくお願いいたします。