今流行のバイクパッキングって?まずは体験してみることが大事。

2017.12.01

そもそもバイクパッキングって?

バイクパッキングというとまだピンとこない方もおられるかもしれませんので、簡単にご説明すると・・・ 以前よりあった、ランドナーなどのツーリング系バイク、MTBにリアキャリア、サイドバック(パニアバッグ)を取り付けて旅をするトラディショナルなスタイルに対して、バイクパッキングは極力最低限の軽量アウトドアギア(ウルトラライト※1)を持ち、身軽に旅をするスタイルです。

両者は似ていても、目的とアプローチが違うことから似て非なるものとも言えます。
※1ウルトラライトの一つの基準として、水、食料、ガスカートリッジなどを除いた重量が4.5kg以下が望ましいと言われています。

 

スタイル別早見表(参考)

種類 バイクパッキングスタイル トラディショナルスタイル
使用バッグ サドル、フレーム、フロント、トップチューブバッグなど 前後サイドバッグ(パニアバッグ)、フロントバッグなど
積載容量 (使用バッグの合計容量) 約30リットル程度まで 約50リットルから、100リットル程度まで (重量があるので、自転車各部へ負荷がかかる)
走行性 重量物の重心が高くなるので、サイドバッグ(パニアバッグ)に比べると安定性は劣る。 しかし、走行性能は高い 重量物を下に入れれば安定性は高いが、重くなった場合の走行性は低くなる
輪行 パッキングを外すだけなので、通常の輪行ができればあまり手間はかからない ツーリング車ではフォークを抜くなどすれば非常に小さくなるが輪行するまで時間と手間はかかる
コスト キャリアが不要なため、あとはバッグ次第。 但し、その他のアウトドアギアを軽量にする場合はこちらの方が高くなることもある キャリアに加え、バッグの容量が多ければ高くなる傾向
使いやすさ コンパクトにし、重量物はフレーム側に寄せるなど、パッキングの技術がある程度必要。 大きなバッグの場合、ラフに詰め込んでも余裕がある。出し入れもしやすい
その他 基本的には1週間以内など短期間向け。 日本国内などで、食べ物などをコンビニに頼るなどの場合はこの限りではない 備えあれば憂いなしの人や、海外ツーリングはこのスタイル。 しかし、使える自転車はキャリアを取り付けできることが前提のため限られてしまう

※条件によってはこの限りではございません。あくまで一般的な例です。 

 

荷物が軽量であれば、当然速度域も変わってきて、上記のような装備をしつつも、ロードバイクなら1日で200-300kmも移動することが可能ですし、カーボンフレームのバイクではキャリアを取り付けてのツーリングは素材の理由でできませんがこのスタイルなら可能となります。 MTBならトレイルを含めて、よりアドベンチャー的な乗り方もできます。 

また、輪行を組み合わせれば遠い所でのツーリングもしやすくなります。 自分の限界を広げ、さらに道具の使い方を工夫し、発想が柔軟になる。 パッキングをする際はその道具が本当に必要なのか?をよく考えるようになり、自分との対話、さらには自然との対話が楽しめるようになるのです。

根本的な所としてはそこが大きなメリットではないでしょうか? 登山などではかなり以前から軽量なギアを持って旅するスタイルをウルトラライトハイキングと呼んだりします(2000年前後にはその言葉が言われ出した)が、その自転車版というような感じでしょうか。 アウトドアギアの進化も手伝って成せる技でもあります。

どんな自転車で楽しんだらいいの?

バイクパッキングはスタイルなので、乗る自転車はロード、クロスバイク、マウンテンバイクなど問いません。 手持ちの自転車でもバッグさえ揃えればすぐにでも楽しめます。

ロード、クロスバイクでもOKですが、未舗装路を含めて走りたいならグラベルロードMTB(ファット系含む)です。

 

2010年頃の一昔前であれば、MTB以外でグラベルを楽しむには、ほぼシクロクロスバイクという選択しかありませんでした。
しかし近年このジャンルも細分化が進んできて、グラベルロードという新ジャンルのラインナップが増えています。

 

グラベルとは、日本語で「砂利」を意味し、未舗装路などでのバイクコントロール性を重視したフレーム設計となっています。

特徴としては、ホイールベースを長くとり、フォークトレイル値を延長させ、直進安定性を高めているのが一般的です。
(同時に、ヘッド角もロードレーサーよりも寝かせている)
ロングホイールベースは、太いタイヤを履かせるための必然の結果とも言えます。

 

アメリカでは未舗装路を含む300km以上のブルベも人気があり、そのためにはスピードと積載性を高いレベルでクリアするためにもこのジャンルとスタイルに人気が出ている理由でもあります。 自転車版SUVとも言えるかも。

どこにどんなものを積載したらいいの?

サドルバッグ

目安容量:8-16.5L

坂道で立ち漕ぎなどをすると振られやすいサドルバッグには衣類やコンパクト寝袋などの軽量なものを入れます。極力シートポスト側に重量物が来るように配置します。

トップチューブバッグ

目安容量:0.4-0.8L
トップチューブバッグには補給食やスマートフォン、予備バッテリーなどすぐに取り出せるものを入れます。

フレームバッグ

目安容量:0.4-0.8L
フレームバッグは重量を入れても一番安定するため、クッカーやガスカートリッジを入れるのが基本です。


フロントバッグ

目安容量:5-18L

フロントは重くないけどかさばるテントやちょっと大きめの寝袋などを入れます。

アクセサリーパック
容量:0.5~25L
車種により、フロントのサイドにバッグを取り付けすることもできます。
あまり重いものを載せると、運動性能は落ちる傾向にあります。


下記の荷物を収納できます。
寝袋はもちろん、テントやクッカー、工具や救急セット、補給食、着替えなどが入っています。

まとめ

これまで読んでいて、アウトドアギアにお金がかかりそう・・・と思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かにウルトラライトなギアが望ましいので、それを一から揃えていったらハードルは高いかもしれません。
しかし、必ずしも揃えなくてもバイクパッキングはできます。
揃えるまでお金を貯めたり、待っているのはもったいないこと。

まずは今持っているアイテムの中で、本当に必要なものに絞っていくことが第一歩かもしれません。 また、わざわざテントや寝袋を持たなくても、泊まるのはホテルやバンガローなどを利用してもいいですし、日帰りや、コーヒー道具を積んでちょっとしたポタリングに活用してもいいのです。 

 

まずは普段背負っているバックパックの中身を全てサドルバッグに入れて、スタイルを楽しんでみませんか? きっとわくわくしたライドが待っています!

 

TEXT:toby