自転車のタイヤとチューブの保管はどうしていますか?

2018.11.17

タイヤの保管どうしていますか?

タイヤには、ビード部分がケブラーで、折りたたみできるタイプのタイヤと、ワイヤーで折りたたみできないタイプがあります。


IRC様より引用


ケブラービードタイプ

ケブラービードであればいいのですが、ワイヤービードであった場合、収納スペースの問題などで下記のように保管されることはないでしょうか?(又はクローゼットに押し込んで、一定時間押し付けるような力が加わるシチュエーション) 数日であれば問題ないかもしれませんが、長期間行ってしまうと型がついてしまいます。 そんな時、無理にホイールにはめようとしても、うまくビードに乗らなかったりします。 気づかずに乗ってしまうと、一か所だけへこんだりして、不快な乗り味になってしまうばかりではなく、バーストなどの危険もあります。

タイヤのビードがうまくはまらない場合の救世主

そんな時は石けん水がおすすめです。 この方法はチューブレスタイヤをビードに上げる際も使用しましたが、ビード全体に吹き付けることにより、すんなりビード上げが可能です。 はめ終わったらしっかりと石けん水を落としてからご乗車ください。 無事にビードが上がったので問題はありませんが、そもそもこうならない保管方法が望ましいですね。  

タイヤの正しい保管方法とは?

正しい(理想的な)保管方法は →曲げたりしてストレスをかけず、気温が一定の冷暗所で、できるだけ酸素を遮断する。 です。 そもそも、タイヤの劣化には以下のような原因が絡み合っています。

1.大気中のオゾン※1、酸素による酸化劣化

空気に触れている以上は防ぐことができない劣化現象。 ※1オゾンとは、オゾン層で生成され、紫外線を緩和する働きがありますが、酸素促進で濃度が濃いと劣化を早めてしまう

2.直射日光などによる紫外線劣化

日光に含まれる紫外線を直接受けることで進行する劣化現象 カーボンブラックを含むタイヤにおいては、シリカを含むタイヤと比較して紫外線劣化に強い傾向 (黒色が光を遮断するため、一般的に、カラータイヤよりもブラックタイヤの方が紫外線による劣化には強い傾向がある。)

3.寒暖差による劣化

温度変化によって起こり、炎天下や寒冷地では起こりやすい。湿度も関係する。

4.ストレス劣化

伸縮を繰り返したりすることで起こる疲労劣化で、空気圧の低い状態で乗り続けたりすると接地面のタイヤが潰れては戻りを繰り返すため、劣化が進行しやすい。 また、タイヤを指定空気圧以上で乗ったりしても劣化は促進される。   但し、タイヤには前述したとおり、折りたたみできないワイヤービードと折りたたみできるケブラービードがあり、ケブラービードについては曲げての保管も問題はない。

ケブラービード   ワイヤービード

酸素をなるべく遮断する方法は?

酸素を遮断する場合は、ホームセンターなどで販売されている梱包用のフィルムや食品用ラップがおすすめです。 (コスト、巻きやすさでは梱包用のフィルムに軍配) 決戦用タイヤや長期間使わないことが決まっている場合はこの方法で保管した方が品質を保つことが可能です。   この方法はタイヤだけでなく、チューブにも当てはまることです。  

チューブの正しい保管方法とは?

チューブの運び方、保管方法はどうしていますか?

スポーツバイクで走りに行く際、パンクに備えて 「予備チューブ」 を携行するのがお約束です。

「修理する」 という方法もありますが、道端でパンク修理するのは手間も時間もかかります。
雨の日ではノリが付かなかったり、パンク修理に失敗してしまうリスクもあります。 そもそも、修理できないパンクの可能性もあります。

 

だから、パンクした場所では素早くチューブ交換で済ませ、家に帰ってから落ち着いてパンク修理をするというのがおすすめです。  

では、予備チューブはどうやって持ち運ぶのでしょうか?

一番多い例は、「サドルバッグ」等に入れても持ち運ぶことでしょうか。  

一般的な小型のサドルバッグの入れられる目安としては、「携帯工具」 と 「タイヤレバー」、「パンク修理用パッチやニトリルーブ」 と 「予備チューブ(ロード用)」になるでしょうか。  

この時、チューブはどうやって持ち運びますか? 大きく分けて下記のような方法があります。

・パッケージのまま
・小さくして輪ゴム等で巻く
・ジッパーバッグなどに入れる

パッケージのままで巻いたり、ジッパーバッグに入れて持ち運ぶ際は、どうしても収納スペースが大きくなりがちです。 また、小さくして輪ゴム等でそのまま入れたのでは、他の携帯工具と当たって、気づかない内にチューブを傷つけてしまうかもしれません。

やはりここは梱包用フィルムかラップの出番です。 ジッパーバッグに入れる以上にコンパクトにすることができます。    

おすすめなチューブの保管方法

一度修理したチューブを使う場合、チューブの中に残っている 空気を完全に出さなければいけません。

バルブの反対側から丸めます

仏式バルブ(フレンチバルブ)の先を緩めておいてから、バルブの反対側から丸めていきます。空気を押し出すように。
ある程度丸めていくと、残っている空気でチューブが膨らんできます。
そのままだと丸めることができませんので、バルブの先を指で押して、空気を抜きながら作業してください。

ちなみに、この時一緒に出てくる粉が、「タルク」 といい、チューブ内部でゴム同士がくっつくのを防ぐ役割をしてくれます。

 

最後まで巻き終えたら、完全に空気を抜いて、バルブを閉めてください。

バルブを閉めたら、ほどいてください。

バルブから巻き始めます。

新品のチューブを巻く場合、ここからスタートです。

チューブの中の空気が完全に抜けたら、今度はバルブ側から巻き始めます。バルブの長さで巻き始めますと、巻きあがった時に真ん丸に近くなってしまいます。それだとバッグに入れにくいので、巻上りがすこし細長くなるように考慮して、バルブより少し長めに、きつく巻いていきます。

 

巻きあがりました。

チューブの中に少しでも空気が残っていると、このようにぴっちり巻くことはできません。

 

ここで梱包用フィルムかラップ(厚めが望ましい)の出番です。使用する量としては、およそこれくらいです。
(画像は20インチチューブですが、700cも同じ位で大丈夫です。)

巻いたチューブがほどけないよう注意しながら、ラップの角から巻いていきます。

ラップでチューブを密閉するような意識で、少し強めに巻いてください。

最後に、チューブのサイズと日付を記載しておくと後で使う順番も迷わないで済みます。

      

これなら、サドルバッグの中に入れても場所を取らずにすみます。

まとめ

タイヤ、チューブ共に厳格な消費期限というのは基本的に各社設定はしていません。 それは食品ではないのと、保管方法や場所、使用頻度、時間、空気圧、サイズによっても大きく異なるからです。

特にチューブは送料無料ラインにのせるためなど、ついで買いされるケースも多いと思いますが、長期間保管していて、いざ使おうと思ったら劣化して穴が空いてた。それが出先だったら・・・。

そうならないために、チューブとタイヤの管理をし、安全で快適なサイクルライフにお役立ていただければ幸いです。

 

TEXT:toby