シマノとルックのビンディングシステムを比較。ペダルの可動範囲を意識したクリート選びと調整方法

2017.09.16

シマノとルックの違いあれこれ

ビンディングペダルの中でも人気のあるシマノ(SHIMANO)とルック(LOOK)のロードペダルについて、オススメペダルと共にご紹介したいと思います。

シマノ(SHIMANO)

メリット
・価格がこなれている
・踏み面が広く、伝達効率がいい
・普及していて、全国のスポーツサイクルショップで手に入る
・クリート位置を細かく設定できる
など

デメリット
・重い
・クリート位置の調整に時間がかかる
など

今回はこの稼働範囲(フローティング)についてご説明したいと思います。

この稼働範囲ですが、ペダルへ固定した際に、若干固定角度に自由度を持たせており、各カラーによって下記の角度動くようになっています。

イエロー:3度

一番ベーシックなタイプで、純正ペダルに付属するのもこのカラーであることが多いです。
ペダリング中も足首を左右に動かす事が出来ます。足の各関節の負担が少なく、ツーリングなどのにもお薦めです。

ブルー:1度
  
足の各関節の負担が少ない割りに、固定に近い踏み心地が得られます。
イエローだと少し動きすぎると感じる方におすすめです。

レッド:0度

ダンシング時に足首が動かない分、パワーロスがない代わりに、しっかり角度を調整しないと、足の各関節に大きな負担が掛かります。
靴への固定はもちろん、ぺダリングスキルも高い人向けのクリート。

実はシマノでも純正ではありませんが、4.5度角のクリートもあります。
SPD-SLクリートSPD-SL対応フローティング角度:4.5度

 

ルック(LOOK)

メリット
・軽い
・踏み面が広く、伝達効率がいい
・クリートの稼働範囲が広い
など

デメリット
・クリートの減りが比較的早い
・よく滑る
など

シマノと同じく、稼働範囲が下記のように決まっています。

レッド:9度


シマノよりも大幅な可動範囲のクリート。足の各関節の負担が少ないながら、人によっては動きすぎて使いにくいと感じる方も。

グレー:4.5度

 
シマノのイエローでも可動範囲が狭いと感じる方におすすめのクリート。
ツーリングやロングライドでも各関節の負担が少なくすみます。

ブラック:0度

シマノと同じく、ダンシング時に足首が動かない分、パワーロスがない代わりに、しっかり角度を調整しないと、足の各関節に大きな負担が掛かります。
かなり慣れてスキルが高い人向け。

私は長い間シマノを使用していましたが、どうしてもクリートの位置調整が憂鬱で、適当につけてしまうと、ロングライドなどをした際に膝やふくらはぎに違和感を感じることが多かったです。
だからと言って、乗っては調整して、乗っては調整して・・・なんてちょっと面倒、というのが正直なところ。
とことん突き詰める人には細かく調整できるので向いていると言えば向いているのですが。

そんな理由もあり、ロードに乗る際でもエッグビーターの街乗り向けのペダルを使用することも多かったというのが事実です。


ただエッグビーターは、はめやすい反面、登坂などではペダル軸を踏んでいるという感じで、イマイチな感触でした。

そこで今回純正ではありませんが、ルック規格のペダルとクリートを試してみました。

R76 KEOビンディングプラペダル ロード用 軽量モデル 

これすごくないですか?

税込3480円(2017.9月現在)です。クリートついてこの値段です。
クリート買ったらペダルが付いてきたみたいな感じです。

重量は、ペダル単体で123g(左右で246g)と驚くべき軽さ!
ちなみに、シマノの最高峰のDURAACEでも約250gあります。まぁほとんど金属ですから、比べるのがおかしな話ではあるのですが。。

オススメのビンディングシューズはこちら

 E-SR493 シューズ カラー:ホワイト  

 

足底に風を通すためのベンチレーション孔で靴内部のムレを防ぎます。

インソールもメッシュです。冬は防寒対策が必須ですね。

ペダルと併せても1万円ちょっとです。

重量は、クリートを付けても253g(左右で506g)!こりゃまた軽い!

付いてくるクリートは可動範囲4.5度のタイプです。
この4.5度、シマノの標準的なタイプと1.5度しか違いませんが、私にとっては絶妙な角度でした。

超速クリート位置決め

ただ、次に待っているのがクリート位置調整・・・


TP1 クリート位置決め専用ツール

世の中にはこんな工具?器具がある位ですから、クリート位置の調整というのは神経質になるべき行為。

本来は、工具を持ち歩き、乗っては調整、乗っては調整を繰り返すのがベストではあります。

参考までに、私の行った超速クリート位置決め方法もご紹介します。

1.ペダルを装着し、固定力を最弱にする

 

ここを左に回せば固定力が弱くなります。なお、最弱で止まる訳ではないので、緩めすぎないように注意してください。
今回は、ボルトが出っ張らない位置まで緩めました。(ツライチ)

2.シューズにクリートを一番上のみ50%程度の固定力で付け、下の2か所は弱く固定しておく(力を入れたらクリートが動く程度)

  

3.シューズを履き、壁などにもたれかかりながらペダルに固定する

4.拇指球の上より少し後ろに、そしてクランクに対して足が水平になる程度に動かし、そっとベルクロを緩めて靴を脱ぐ(シューズはペダルについたたまま)

内股すぎます。

 

今度はがに股すぎます。

 

クランクとほぼ平行です。

私の場合、拇指球よりもほんの少しだけペダル軸が後ろにくるようにセッティングします。拇指球でペダル軸を引っ掛けるイメージです。


5.ペダルに付けたまま、一番上のクリートを強く固定させ、シューズをペダルからリリースする

6.その位置で全てのボルトを締めこむ

上記方法で左右行いました。
再度ペダルにはめて逆にクランクを回しても違和感がなく、見比べてみてもクリート位置に差異があまりありません。


左右行っても10分程度と、素早く合せることができました。
これで調整して100km程度試走しましたが、長時間乗っても膝やふくらはぎのダメージはゼロでした。

ルックのデメリット解決方法

最後に、ルックのデメリットでも記載した
・クリートの減りが比較的早い
・よく滑る
についてはゴムパッドを使うことである程度軽減できます。転ばぬ先の杖(ゴム)ですね。

KEOクリートカバー カラー:ブラック

高価なものではないので、併せてご購入いただくことをおすすめします。

それでも、設置面積はこれくらいなので、ビンディングではない靴と比べると圧倒的に滑りやすいです。
中華料理屋さんやラーメン屋さんでは、できる限り摺り足か、雪道を歩くか如く、ペンギン歩きが鉄則です。

なお、ゴムカバーを持ち歩く際は、100円ショップなどで購入したケースに入れてジャージのバックポケットや、バックパックのすぐに取り出せる位置に収納します。


初めての方は、ここにケミカルをスプレーしておくとよりスムーズに外れやすくなりますのでご不安な方は注油してください。

まとめ

ロードバイクに乗ったら、ビンディングは速く走るためだけでなく、高速域での安定やぺダリングスキルの向上、疲れにくくなるなど、快適なライドに直結するシステムです。
固定するのは怖い、クリート位置調整はめんどくさそう・・・とためらっていた方も、百聞は一見にしかず、是非お試しいただきたいです。

また、シマノクリートで膝やふくらはぎが痛くなってビンディングを使わなくなった方も、4.5度クリートをお試しいただくか、ルックにしてみませんか?