自転車のシューズ選びはソールが大事!初めてのビンディングペダル選び。

2018.08.12

ビンディングペダル入門

自転車のペダルとシューズを接続するビンディングシステム。

スキーを思い起こしていただければ簡単にイメージができますが、やはり公道で装着するのは、転んだ時にどうしよう?など考えてしまい二の足を踏んでしまう方も多いと思います。
練習が必要なのは確かですが、スキーをされたことがある方なら、いきなり履いてリフトに乗りませんよね?
必ず平地で付けたり外したりの練習をするはずです。

自転車も一緒で、まずは自転車が走行できる広い公園などで練習し、徐々に公道デビューをしていきましょう。

そこまでしてでもインストールする大きなメリットがあるのです。

ビンディングシューズのメリット

何であれ、ビンディングシューズは
・ぺダリングの効率が上がる
・ペダルの上で滑らず、走りが安定する
・慣れるとフラットペダルでも(ビンディングペダル程ではないが)効率的に漕げるようになる
など。

というのも、特にロードバイクを乗るにあたって、ビンディングを使うのと使わないとでは、ぺダリングの効率が段違いなので、楽しさの半分も享受できないのではと大げさではなく感じてしまいます。
最終的には個人の好みなのですが、過去を振り返ってみてもビンディングシステムなしで乗るなんて考えられません。

さて、仮にビンディングに興味が湧いてきて、さぁインストールしようと思っても、第一段階としていろいろなメーカーがあり、具体的にどう選んだらいいの?私に合うシューズは?

など、どんどん悩みが出てきます。

そんな方向けに、選び方をご紹介します。

どんな乗り方をしますか?

走りを最優先にするのか、出先で歩くことも考慮するのか?

→走りを最優先にするなら、軽量なロード向けのソールをチョイス。

走りに特化したシューズなので、歩くことをあまり考慮していません。床がツルツルの中華料理店では慣れた人でも思いがけず滑ってしまう位・・・。

→出先で歩くこともあるならば、街乗り向けをチョイス

樹脂(ナイロン)の上にゴムを配しており、歩くことも考慮したモデル。
出先で写真を撮ったり、グルメを楽しむ方はこちらをお選びください。
しかし、ぺダリング効率のために、スニーカー程の柔らかさはありません。

ビンディングシステムのメーカーについて

メジャーな所では、Shimano(シマノ)やLook(ルック)、Eggbeater(エッグビーター)、SPEEDPLAY(スピードプレイ)、SIDI(シディ)、TIME(タイム)、MAVIC(マヴィック)・・・etcあります。
スキーをされる方なら、Lookはよくご存じでしょう。元々はスキーのビンディングから発想を得たようです。
ちなみにマーカーやチロリアの自転車用ビンディングはありません。

 

余談ですが、そのLookのビンディングはKeoクリートと呼び、なんだか同じくスキー板では有名なOGASAKA(オガサカ)のKEO’sシリーズと一瞬混同してもやもやします。(私だけ?)

この中で、やはり国内でのシェアトップはシマノでしょう。
価格帯も魅力ですし、アフターパーツもすぐ手に入ります。
スピードプレイやSIDI、タイムなどはプロの選手が使っていたりしますが、まず初めて導入する場合はシマノがおすすめです。

シマノでも大きく分けて2タイプあり、それぞれ装着できるシューズが異なってきます。

ロード向けに開発されたSPD-SL

街乗りやMTB向けののSPD

SPD-SLの方が踏み面も広く、力をかけやすい反面、シューズ側のクリート(器具)も大きくなるため歩きにくくなる傾向があります。
SPDは踏み面は小さいため、力のかけやすさではSPD-SLに譲る反面、クリートが小さく、歩きやすいので、初めての方やロードバイクでも歩く頻度が高い方におすすめです。

 このSPD-SL(必然的にクリート位置が同じのLookも)とSPDどちらにも対応したシューズもあります。

装着穴が2種類あり、1足で最初はSPDを使い、慣れてきて走りに集中したい場合はSPD-SLやLookにステップアップするという使い方も可能です。

シマノ[SHIMANO]
RP1(SH-RP100) ブラック SPD-SL/SPD対応
詳細はこちら

シューズ選び

大まかに用途が決まったら、続いて具体的なシューズ選びに入ります。

ただ、シューズについてはビンディングのメーカーよりも多くのメーカーがあり、各社、商品ごとにアッパーの素材、バックル、インソール、ヒールカップなどで違いがあり、そこは自分の足に何がフィットするかで選べばいいと思います。各社考え方や素材の組み合わせがたくさんあり、とてもここでは書ききれません。

簡単に書きましたが、その「何がフィットするか」の見極めが難しい所で、最終的には、足の形に合わせて熱で成型させたりするなどカスタムしていくのがベストですが、そこまでは費用も敷居も高いと感じられる方も多いと思います。
まずはいろいろなシューズを試着し、様々なシューズのフィット感をお確かめの上、お気に入りを見つけてください。

ただ、ソールの素材については、各社共通点が多いので、今回はその点において記載したいと思います。
ソールの種類で、おおまかなシューズの用途やキャラクターも必然的に決まってきます。

ソールの種類と特徴

ソールの素材には、主に樹脂(ナイロン)、カーボン、ハイブリット(カーボンと樹脂、グラスファイバー、チタンなど)があります。
それぞれの大きな違いとして、ソールの硬さが異なります。
(厳密にはインソール、カップ、アッパーの素材でも硬さは異なってくる)

シューズのソールが硬ければ、それだけペダルを踏み込んだり、引き足を使った際のロスが少なく、推進力を路面に伝えることが可能なのです。
自転車以外のシューズでは、力も分散されて効率が悪くなってしまうのです。

樹脂(ナイロン)

価格も1万円以下から十分にあり、初めてビンディングをインストールするならここから始めるのがおすすめです。
樹脂素材でも、各社アッパーの素材や形状を工夫して、硬さも変わってきます。


目安価格帯
~14000円

 

ハイブリッド

ハイブリッドタイプ(カーボンと樹脂)のメリットとしては、素材を力のかかる所には伝達性に優れたカーボン素材を使い、しならせたい部分には樹脂を使うなど、適材適所に配置します。
軽量化とガチガチ過ぎない固さで、ロングライドなどにも広く活用が可能です。
同じハイブリッドタイプでも、組み合わせる素材の違いにより性格がガラッと変わります。

目安価格帯
15000円~


など。

カーボン

各社フラッグシップモデルにはカーボンを採用しており、軽量でロスも少なく、効率がいい素材です。
ただ、硬ければ硬いほどいいかというと、そういうものではなく、特に慣れないと足裏やふくらはぎが痛くなったりすることもあります。

目安価格帯
25000円~

ソールの剛性

素材の種類が決まれば、おのずとそのシューズの用途が決まってきますが、各社横断しての基準がないのも事実です。


シマノでは、こんな便利な表があり、それぞれ用途に応じてソールの剛性が最適化されています。

 

今回は、そのシマノをベンチマークして、その他の入門向けシューズのソールの剛性を検証してみたいと思います。

やっぱりカーボンソールはすごかった

方法は、下記のようにしました。
1.ブロックを22cm間隔を空けて配置

2.そこにシューズを橋を渡すように置く

3.シューズの中心点に印(シューズは全て42サイズ)

4.ブロックを置いた底の真ん中にメジャーを置き、シューズに接地させる

5.シューズの上(印を付けた中心点)から100Nの力をかける

※1Nは1kgfと想定すると、約10kgfの力をかけていることになります。

たわむ量から、シューズの剛性を確かめます。
(※あくまで簡易な実験のため、硬さの目安程度で御確認ください。)

ベンチマークとなるのは、
日常的に使える、初心者向けのシューズ、シマノクリッカー SH-CTシリーズ

ソール剛性は最弱となる3です。
これを上記方法で計測してみると、接地時の長さが20.7、力をかけた後は19.4で、1.3cmたわみました。

もう一つ、同じくクリッカータイプのシューズ SH-CT80。
ソール剛性は同じく最弱となる3で、同じく約1.3cmたわみました。

よって、シマノの「3」は同じ条件なら1.3cm程度たわむことになります。

同じ方法により、まとめたのが以下の表です。

■SH-RP300
ロード用シューズのエントリーグレード  ソール剛性は6。
これを上記方法で計測してみると、0.55cmたわみました。
よって、シマノ6は0.55cm程度たわむという結果になりました。

■SH-R321
プロツアーチーム使用される、最新技術のすべてを投じたトップモデル。
ソールはカーボンファイバーコンポジットソールです。
ソール剛性は12です。
接地時の長さが20.1、力をかけた後は20.1!100Nの力を1点集中させても、1mmもたわまない訳です・・・。これは実験しててちょっと驚きました。
カーボンソールは伊達じゃない!!

続いて、またエントリーグレードに戻りますが、

エグザスター E-SR493

0.6cmたわみました。
シマノ換算で言うと、このモデルはソール剛性6弱ということになり、シマノの最弱ロードと同じ位という結果に。
フィット感も悪くなく、まずは初めての1足には価格も魅力的ですね。

エグザスター E-SS503
逆に、見た目剛性が無さ過ぎて、これでまともに漕げるの?というサンダルタイプもテスト。
0.8cmたわみました。
シマノ換算では5とかにランクされるのでしょうか。
サンダルタイプながら、意外としっかりしたソール剛性を持っていることがわかります。 

このサンダルタイプのシューズは私も愛用しており、硬すぎて、最初裸足で履くのに靴擦れを起こすのでは?とも思ったのですが、既に1000km以上走行してますが、どこも痛くなく、さらに歩きやすさも兼ね備えています。
なるほど、丁度いい剛性感のシューズであるとわかりました。

夏の長距離ツーリングなどでは、暑すぎて途中、川などに足をつけることがありますが、このシューズならそのままジャブジャブ入っていけたりするのも利点ですね。(サビ対策はお忘れなく!)
裸足でこいでも足が痛くなることはありませんでした。

ただ、裸足で履くと日焼け跡がサンダルになってしまうので、気にされる方は靴下をご用意ください。

まとめ

ソールの素材だけではシューズを語れないのはその通りですが、ソールの硬さを知ることで、そのシューズの性格が見えてきます。
ソールが硬ければ、それだけアッパーやバックル、インソールもよりフィットするように工夫(または加工できる)されている傾向にあります。

シューズは高いもの≠誰にでもベスト
とならないものです。レベルに応じてステップアップしていきましょう。

まずは価格のこなれた、敷居の低い所からビンディングを「体験する」をしてみませんか?

そして最後に、忘れてならないのは、シューズと組み合わせするソックス。
いくらフィットするシューズを履いても、足とソックス、ソックスとシューズが動いてしまったら元も子もないので、しっかりとしたスポーツ用ソックスをお選びください。

スポーツソックス

Text:toby